2012年09月15日

開催レポート(前編):「『広辞苑』で楽しむ言葉のゲーム 『たほいや』体験講座」(主催:日本手帖の会、講師:木の葉燃朗、9月2日(日)@横浜市なか区民センター)

TahoiyaKouza かねてより告知していました、「『広辞苑』で楽しむ言葉のゲーム 『たほいや』体験講座」(主催:日本手帖の会、講師:木の葉燃朗)、9月2日(日)に横浜市なか区民センターで開催し、無事終了しました。
 不慣れな講師ではありましたが、受講者のみなさん、スタッフとしてお手伝いいただいた日本手帖の会のみなさん、すべての方のご協力もあり、終始笑いが起こるような雰囲気の中で進めることができました。

 当日の模様をレポートします。

 参加者は11名。最初にアンケートを取ったところ、かつてフジテレビで放送された深夜番組をご覧になっていた方と、ネットでたほいやについてご覧になったことのある方が半々くらい。経験者(たほいやを実際に遊んだことがある方)も数名。たほいやを初めて知ったという方はいらっしゃいませんでした。

 講義は、たほいやの簡単な歴史とルール説明を40分程度。スライドをプロジェクタで映しつつ、同じものを受講者のお手元にも配布。
 一応、必要なことはお伝えできたかなという感じ。ただ、反省点も多い。なにぶん初めてで、話すとどのくらい時間がかかるかとか(一時間に収まるように検討してはいたのですが)、受講者の方の反応とか、探り探りだったのでやや急ぎ足になってしまったかもしれません。
 あとは、メリハリがあった方がよかったかなと。私が一方的にお話していたので、やや単調になった気がします。受講者の方と対話したり、ゲームのルールは一部受講者の方に参加して実演してもらっても良かったかな。このあたりは次回以降(またやるつもりでいます)の課題。
 ただ、資料を自分では納得いくくらい作り込んだので、その点の不安がなかったのはよかった。準備不足だと色々悪い影響が出ますからね。「めろんぱん」のくだりもややウケたのでよしとしよう(またウケたかどうかを重視してしまう俺)。


 その後、参加者のみなさんによるたほいや体験を、5人ずつふたつのグループに分かれて実施。経験者の方が各グループで他の参加者の方をフォローしていただいたこともあり、比較的スムーズに進む。これはありがたかった。逆に、経験者の方がいらっしゃらなければ、私が両グループの質問等に答えつつ進行する必要があったので、かなり大変だったことが想像できる。これも次回以降の課題。
 なお私は、今回はゲームに参加せず両グループの様子を見ながら茶々を入れていた。いやあ、この役割楽しいね! 「『たほいや』は参加するよりまわりで見た方が楽しい」という話も聞いていて、「そうかな、参加した方が楽しいんじゃないかな?」と思っていましたが、たしかに外野として好き勝手言うのも楽しいです。
 その両グループのたほいやの様子。出題と偽回答の記録は、日本手帖の会のみなさんにご協力いただきました。ありがとうございました。出題された問題を、私のコメントとともにご紹介します。
 レポートは次のような内容で書いています。

 ・出題された単語を書きます
 ・各自から出された偽回答+正解を書きます
 ・正解と、私が書いた偽回答を分かるようにします(正解は●、私の偽回答は★)
 ・何人の人がその回答案に投票したかも、文章の最後に数字を書きます。


120902tahoiya03 まずはグループA。

●めだい

1.うっとうしい。(2)
2.火事を見張る台の別称。
3.キリスト教で、信仰のよすがとして身につけるメダル。(1) ●
4.キリスト教における儀式用チャーム。ロザリオなどにつける。
5.日本の伝統工芸に使用される鉱石のひとつ。(1)

 魚っぽいと思ったのだが、そうした回答案はなく、キリスト教に関するものがふたつ。正解は結構意外に思える3.でした。自分だったら2.に投票したと思う。外来語に聞こえなかったので。

●ゆうしたかぜ

1.夕方、地面を這うようにして吹いてくる風。(1) ●
2.秋口に山の麓で吹く風のこと。(2)
3.夕刻に吹く風を意味する方言。
4.アガサ・クリスティの戯曲。
5.なぎ。(1)

 「ああ、ユウ・シタカゼ。ガンダムのパイロットですよね」と言って、参加者のみなさんが真剣に偽回答を考えているのを邪魔する俺。
 問題としては、風に関する回答が揃うことで、結構難易度が高い。3.が「方言」で終わるのが気になるので除外するとしても、1.、2.、5.は悩む。

●ころんたい

1.へいろたいに同じ。(1)
2.西洋の男性用アクセサリーのひとつ。
3.おしゃべりの意味。口論したい、が省略されたもの。
4.中国殷(いん)以前に使われていた字体。金文体(きんぶんたい)。(3)
5.ソ連の女性政治家。 ●

 これは親の総取りに。たしかに5.は語感からイメージしにくい上に、4.という強力な偽回答の効果もあった模様です。ちなみにコロンタイは「国家保護人民委員、スウェーデン大使など。小説『赤い恋』もある」とのこと。それを聞いて「ああ、コロンタイね。知ってる知ってる。『赤い恋』、学生時代に読んだなあ」と適当なことを言いまくる俺。
 自分だったら1.に投票したかもしれない。4.も気になりますが、ちょっとでき過ぎている印象も受けるので、警戒するかもしれない。で、後で「『へいろたい』ってなんですか?」と聞いて「さあ?」と言われるパターン。

●ばっちがさ

1.放り投げること、の方言。
2.浮世草紙。井原西鶴作。(1)
3.番匠笠(ばんじょうがさ)の訛(なまり)。(2) ●
4.九州北部で遊ばれる児戯。(1)
5.西洋傘の別称。明治時代、和傘と区別するため用いられた。

 これまたいい回答案が並ぶ。4.の「児戯」という表現は、いいなあ。これに投票したんじゃないかと思う。ただ、「九州北部の児戯」や「九州北部に伝わる児戯」でもいいようにも思う。1.の「の方言」という終わり方も、やや気になる。
 あと、文学作品は「○○(作者)の小説」とくるか、「小説。□□(作者)作」とくるか、二つ傾向があるので難しい。

●びらく

1.酒池肉林の異称。
2.インド、パンジャーブ地方の都市。
3.物価などがほんの少し下がること。 ●
4.銅の含水ケイ酸塩からなる青緑色の鉱物。
5.土壁を塗る道具。

 この問題は投票状況の記録なしです。ご了承ください。
 「これはたしか落語家の名前ですね。立川志らく師匠の弟子だったと思います」と言うも、最終問題に臨むみなさんはそれに反応する余裕なし。若干反省する。
 しかし、3.は意外。「微落」なので、たしかにそのとおりなのですが、「それを意味する単語、必要?」と思ってしまう。

 というのがグループA。「ころんたい」で親の総取りを達成した方が、そのリードを守って一位。おめでとうございます。


120902tahoiya01 そしてグループB。

●あそそに

1.童謡。童歌。
2.フランスの作曲家。近代音楽の祖として知られる。
3.薄々(うすうす)に。(2) ●
4.尼僧の別称。(2)
5.ブルガリア中部の半発酵のパン。

 これは結構難しい問題。正解の「うすうすに」というのが、聞いただけではどういう意味か分からないので除外したくなる。しかしそうなったらそうなったで、どれを選ぶか悩む。いわゆる「この中に、本当に正解ありますか?」と言いたくなるパターン。そうなると、4.を選ぶかもしれない。
 参加者の方にとっては、初問で他の方の偽回答の傾向が分からないのも難しいかもしれない。

●かずき

1.魚を突く具。(1) ●
2.植物の名前。
3.御柱に使われる神木。(2)
4.穏やかで高貴なさま。
5.土地の境を示すために植える樹木。(1)

 「こさかいの別称」かと思いましたが、そうではないようで(当たり前だ)。それはさておき、「かづき」ではなく「かずき」だったので、1.は意外。「もり」や「やす」のようなもののようです。

●めでしる

1.心が愚かになるほどに愛でる。溺愛する。(1) ●
2.小さな子供や動物を可愛がること。宮廷でよく使われた。
3.ルーマニアの物理学者。(1)
4.オーストリアの物理学者。(2)
5.煮込んだ汁。

 うまい具合に回答の傾向がふたつに割れた問題。こういうのが結構悩む。時には、どちらの傾向でもない(この場合なら5.)が正解の可能性もあるし。

●ぬため

1.農具。
2.とろみがある山菜の漬物。
3.三陸地方の郷土料理。
4.じっとりとした目つき。見張る様。(3)
5.鹿の角のぬたはだのあるもの。(1) ●

 「ぬためカンタービレ」という声がちらほら上がる。これはでも、「ぬたはだ」という聞き慣れない単語がひっかかって5.を選べるかもしれない。1.も気になるけれど。

●しぜんとじんせい

1.文集。 ●
2.中国で国学などを学ぶ学生のこと。(1)
3.南方熊楠の最後の評論。(1)
4.彫刻家。(1)
5.アルメニア中部の都市。(1)

 グループAの方に、「向こうの最終問題は『しぜんとじんせい』ですって」と言うと、「これはなんらかの作品名でしょう」という声が。たしかにそうだと思う。「文集」とだけ書かれた1.は謎ですが、実はその後に色々と解説が続く。これが正解。親の総取りとなりました。4.も、「彫刻」だったら選んだかもしれない。
 ちなみに3.は、「南方くるぐす」と読めるような書き方だったようで、「なんぽうくるぐすの」と読まれていた。そのため、みなどこかの国の書物だと思っていたようです。これもまたたほいやの面白いところであり、怖いところでもある。それで投票する人もいるわけで。

 以上がグループB。こちらは最終問題の「しぜんとじんせい」で総取りを達成した人の勝ち。


 各グループのたほいや体験をもって、たほいや講座は終了となりました。
 開催してみて分かったのは、テレビ番組を見ていた世代への影響力の大きさです。1993年に、半年間深夜に放送されましたが、当時見ていて、一度遊んでみたいと思っていた方もいらっしゃいました。また、演劇人の方には、大高洋夫さんや三谷幸喜さんらが出演していたことの意味が相当大きいようです。

 たほいや講座は、また機会をつくって開催してみたいと思っています。別の場所や別の形になるかもしれませんが。その際はよろしくお願いします。
 それから、今回の講座の内容と、これまで私が参加したたほいやのレポートをまとめて、ミニコミを作りたいとも思っています。少し時間はかかると思いますが、実現させたいなと。

 さて。

 後編へ続く(えっ!?)


 これまで遊んだたほいやの報告も別の記事で書いています。興味のある方は下記リンクから見てみてください。

・タグ:たほいや(http://blogs.dion.ne.jp/konohamoero/tag/%82%BD%82%D9%82%A2%82%E2
・木の葉燃朗の「たほいやと俺」 http://konohamoero.web.fc2.com/tahoiya/index.html





ラベル:たほいや
posted by 木の葉燃朗 at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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